シースナイフについて 其の弍 〜大型のナイフ要るのか問題〜
今回は大型のナイフについて論じていきます。
ナイフが好きな皆さんは日本のアウトドアでジェイソンみてーなマチェットが果たして必要なのか?という疑問があることでしょう。その辺の謎を紐解いていきます。
まあぶっちゃけ要らないんですが…。
まず刃物という道具の機能ですが、切る割る削る、料理であれ木工であれ何れもその本質は破壊です。都合よく破壊するのが刃物の役目です。その際の目的によって使う道具を選びます。
置かれる環境、破壊の対象、速さ、かかる労力や必要な精密さ、対して重量や大きさ、取り回しなど想像してみましょう。お刺身を切るのに中華包丁では不便そうですね?刺身包丁が良さそうです。でもいちいち持ち替えるのは面倒。なら三徳包丁で良いじゃん、的なそんな話です。
刃物の形状を決める1番のファクターは土地、環境です。
植生が濃くなるほどその土地の刃物は大きくなる必然性を得ます。
例えばマチェット、マチェーテは中南米の刃物で熱帯雨林気候帯。アフリカなんかでもよく使われています。ククリはネパールの刃物で気候帯は亜熱帯。
日本はどうかというと温帯で植生は濃い方です。大型のナイフというとしっくり来ませんが、ナタだのナガサだのがあります。
という事で、日本のアウトドアでは大型のナイフでも登場する余地がある、ということになります。
ここでは林業の話はしないのでアウトドアの話になるのですが、アウトドアと一口に言っても行動が多岐に渡り過ぎています。登山道を歩き登頂を目指す場合など大型の刃物は高い確率で必要ありません。ただの重りです。まあ、その辺は置いときますね…。
大型のナイフがその真価を発揮するのは振る動きの時です。野営の時などに(野営を推奨してるわけではありませんので悪しからず)、藪を漕いだり、ブッシュクラフトやそれっぽい行動をしている時ですね。
雨、雪など悪天候時に役に立ちます。1、2日の雨なら立ち枯れている木なら中心は濡れていないので火起こしに使います。バトニングやらフェザースティックやらをやる必要性が出て来ます。縦に割るのはナイフ、横に切断するにはノコギリです。
因みに天気が良い時の森の中での野営なら、枝やら何やらが必ず落ちているので寧ろ要らんのです。
キャンプ場でのキャンプの場合、枝やらがあんまり落ちていません。なので売店で売ってる薪で火を付けなきゃならん訳ですが、デカい刃物があると火起こしがめちゃくちゃ早くなります。そしてそれ以外あまり使いません。結論は『有った方が良いですが無くても良い』のです。その辺に必要性を見出す必要があります(笑)。
まあ、使いたいから使うで良いんじゃないでしょうか。使ってみると便利ではあります。
という訳でお勧めのビッグブレード達
ぶっちゃけAmazonで買うのは微妙。ちょっと高い。テラバのスクラマ。
長さの割には軽く、重心がハンドルの付け根くらいにあるので、大きさの割には様々な使い方が出来ます。叩き切る叩き割るみたいなのはナタの方が普通に上です。こういう器用貧乏なビッグブレードを私個人は愛してやまない。
私の愛用ビッグブレード。tops knivesのtahoma。タホマくん。キワモノばかり作りだすtops製。の割には珍しい器用貧乏系ブレード。頑張ればトライスティックなんかも作れます。500g半ばという微妙な重さ。私は筋力があまりないので重さが必要だったりします。
Amazonにありません。ナイフ屋のグローイングとかシェフィールドで買ったら良いんじゃないですかね。1095鋼なのに2万オーバーでコスパはクソです。スクラマと同じくフィンガーチョイル辺りに重心があるので、長物の割に手元での操作性は良いです。シースがクソダサイとか峰の尖ってるヤツ要らねぇとか思う所は多々ありますが、20cmオーバーの割にあんまり威圧感がありません。…ありませんよね…?
後は普通にビッグブレードです。重心が上にあるので振る動きに強くなります。
やはりナタでしょ!これは片刃なので意味がわかる人以外お勧めしません。Amazonにあんまりないのです。
困った時の佐治武士。刃物屋さんで買えます。白紙など、鋼材は良いのを使ってますし、ちゃんと鍛造です。その割に結構安い。普通にお勧めします。
もうこれで良いじゃん。シルキーナタ。プロ感、というか林業っぽさが出まくってしまいます。風情には欠けます。
悪目立ち間違い無し。ザ・ビッグブレード。ESEEのジャンガラスくん。コロンビアかどっかの国境警備隊用(だったかな)。1095鋼。10インチオーバー。もう如何なる目的でも大袈裟なビッグブレードです。故に何処にも売ってません。LAMNIAならあるかも?欲しい人は見つけたら買いましょう。似た様な物でオンタリオ社のrtakくんがあります。此方も売ってません。
KA-BARのBK9。コンバットボウイ。名前からして何に使うのかよくわかりません。コレも大概ですね。1095鋼。刃の厚みの割に幅があり結構鋭いです。更に長さと重量があるので、薪に叩き込むとドッと入ります(あぶない)。カスタムでカッコ良くなります。
ハンドルを交換するだけでイケメンになります。 確かコレくっつくと思うのですが…。調べてから買って下さい。
こんなのは氷山の一角です。まあ概ね理解して頂けたと思います。あんまり使いたくない言葉ですが厨二病です。YouTubeでイキってる外人さん達もちょっとアレな感じです。こんなのをキャンプ場で得意げに振り回してる自分の姿を想像しておきましょう。やっぱりナタが無難ですね…。
それでも欲しいという人はケガに気を付けてください。取り扱い注意です。