焚火のコツ
火を起こすのって意外と難しい…。よく言われています。
小学生の時からやってるので正直そう感じた事は無いですが、バーベキューに参加した時など、雨も降ってないのにいつまでも火がつけられないのを眺めていてると、慣れてないと意外と難しい事だったのを思い出します。
という訳で、焚き火のコツを解説していきます。
1番重要なのは準備です。
焚きつけは、火がつきやすい乾いた杉の葉(ちくちくしてるやつ)、細かい枝なんかを拾ってきます。杉の葉は細く、油分が多く、空気も通り易く、表面積も多いので火力は高いです。
キャンプ場だと落ちてない事もあるので薪から作ることになります。薪は広葉樹と針葉樹がありますが火付けには針葉樹が適しています。広葉樹は長く燃えてくれます。
ナイフで画像の様に火がつき易い様にしてあげましょう。フェザースティックと言います。あとは割り箸より細くした薪をちょっと、それよりはもうちょい太くした薪をちょっと、更にそれよりもうちょい太くした物を。そしてそれをちゃんと分けておきましょう。ここの準備を疎かにするともう一回やる事になるので、薪一本を火起こしに充てるつもりで用意しちゃいましょう。この準備でもう8割くらい出来ています。
私はキャンプに麻紐を持っていってるので、その使った麻紐を回収し、次のキャンプの暇なタイミングにほぐしています。それを更に次のキャンプの着火に使っています。ほぐした麻紐はファイヤースティックでも比較的容易に火がつくのでオススメです(何故かダイソーの麻紐は着火しません。ホムセンで買いましょう)。
火をつける前に軽くくべます。ギチギチにくべると火がつかないのでちょこっとです。あと、火がつき易い物は燃え尽きるのも早いです。
あくまでふんわり感を維持できる程度にくべます(重要)。全部ではなく少しずつです。火がついてから様子を見て少しづつ足してあげましょう。素早く、そしてゆっくりです。投げ入れると失敗します。
火はライターでもマッチでも何でも良いと思います。個人的にはマッチが一番良いと思います。手を離しても燃えてくれるので。投げてはダメです。ふんわりしたところに下向きに立てかけてあげましょう。丁寧さを心がけましょう。
あとはファイヤースティック、メタルマッチ、フェロセリウムロッド、呼び方色々ありますが、あの棒を擦るヤツ。正直何回かやったら飽きます。成功させたいなら麻紐も持っていくと良いでしょう(ダイソーのはダメです。2回言います)。
で後はくべる時の心得です。『空気が通る様』に、コレはよく聞きますね。ですが火の付いた薪を別にしておくと鎮火してしまいます。空気は最大に通ってるのにおかしいですね。
実は燃える条件はもう一つあります。『熱を逃さない様に』です。
「一つ一つでは小さな火だが、二つ合わされば炎になる。炎になったガンバスターは…無敵だ!」と昔から言いますが、火を二つ書いて炎というのがヒントになってくれます。
燃焼している物は熱を放出します。火が消えるのは、燃焼による加熱を放出の方が上回ってしまい、燃える温度を下回っている状態です。息を拭いて火が消える理屈です。冷ましているから消えるという事ですね。
じゃあ焚き火の時、息を拭くと燃え上がるのとはどう違うのか。あれも実は温度をちょっと下げているのですが、それ以上に酸素が送り込まれる効果の方が高い状態です。温度を奪い続ければ消える理屈ですが、空気を送られると火は一瞬大きくなります。マッチ吹き消す時とかわかりやすいですかね。
で、火は熱を放出するのですが、火の付いている物に放出すると、そちらがより燃焼し、そこからまた熱が放出され、こちらもより燃焼し、熱を放出し…となる訳です。火が怖いのはこういう事で、こうなると風で熱を下げようとしても酸素を送る効果の方が強くなってしまいます。
火事の怖さはそれです。焚き火ならくべ直せば落ち着かせられますが家の場合はそうはいきません。広い空間が熱せられ、全てのものがお互いに燃やしあっている状態で、形を崩せません。するともう水しか無いんですよね。そう考えると、水を用意できない山火事が、いかに恐ろしいか想像がつくと思います。
キャンプ場で凄く大きい焚き火をしている人がいますが、あれが嫌がられる理由はその辺にあります。火は大きくなるほどコントロールが難しく、操作範囲の外の物を燃やす可能性も高くなっていきます。しかも大概のキャンプ場は山だの人里離れている場合が多く、もしもの場合の消火困難です。焚き火慣れしている人ほどやらない(薪が勿体ない)ので、焚き火慣れしておらず、火の怖さも、山火事の怖さもわかっていない事を、文字通り狼煙を上げて周りに知らせている訳です。
まあ話は逸れましたが『空気は通るけど熱は逃がさない』というのを意識してあげるとよく燃えてくれますよ。