斧について
斧って使う人が増えている様ですね。まあカッコいいから仕方ない。
ただ、斧って実は壊してしまい易い道具なのはご存知でしょうか。
大きいし重いからタフな道具に見えるんですけど、実はちょっとテクニカルな道具なのです。
例えばバトニングをしたい場合、ナイフだったらフルタングが良いって言うじゃ無いですか。
斧ってタングが無いんですよ。柄と繋がっていない。フルタングの物もあったりしますが、基本的に木の柄が差し込まれている構造になっています。
あと、刃の幅が広い。支柱から刃の先端が離れています。原理的にその方が破壊力が出るから当然ですね。
先端が重く、『振る』道具である。
コレが相乗効果で壊れやすい道具になります。
逆に、どうすれば壊れるか。これは1つです。
振りに対して刃の向きが真っ直ぐでなかった場合、この時に相当のダメージが接合部分に加わります。
イメージしにくければ、バトニングで例えましょう。
薪は垂直に立っています。真上から垂直にバトンを振ります。ナイフだけ斜めに、横に傾いていたら。
実際はナイフ垂直に当ててトントン叩くのでそんな事にはなりませんが、もしそんな事をすれば結構ダメージがあるのは容易に想像出来ると思います。この文章で出来るのかな…?
これを先端が重くて刃の幅が広くて柄が長い物で、しかも叩き込む訳です。
力を入れる動作で、速さも必要、そしてある程度の正確さを求められます。
疲れているとき、人間はミスをし易いです。というかミスをします。
車を2時間ちょっと運転してました。クーラーボックス、テント、チェア、テーブル、カラトリー類、スーパーで買った食べ物飲み物…重い荷物を車から2往復か3往復してテン場に持って来ました。テーブルを広げて、テントを貼るのにペグも打ちましたね。そして管理棟から2、3束の薪を持ってきます。…ちょっとだけビール飲んじゃおうかな…。
この時の握力、イメージしてください。この時に真っ直ぐ振り、真っ直ぐに当てる事を意識する必要があるワケですよ。
まあ誇張して書いてますが、使いたい物、好きな物を使う、これはとても楽しい事で大事な事だと私は思います。その上で大切なのは道具を理解する事です。
人間の側が間違いを犯さなきゃ道具は決して悪さをしねぇ、ってヤツです。
道具が人間に合わせるのは難しいですが人間の側が合わせるのは可能な事なのです。